7/3(日) いよいよFRP作業へ突入か?

東京担当・村山です。

本日の予想最高気温35.9度、湿度68%。全くFRP作業に適しません。
朝8時半、一人メールセンターに到着した私は、一階の作業場内のエアコン全台の
スイッチを入れながら、各箇所の温度計を確認します。
34度 湿度68%程です。

時間経過と共に両数値が下がることを期待して、一番北側の奥で作業する事にしました。
遮断カーテンに囲まれ、エアコンも目の前、且つ日が昇るにつれて建物の日影となるので、
僅かでも気温が低い箇所となる事を期待しての選択です。
さてと、場所が決まれば船体の移動です。
ゴロゴロとコロ台車を響かせて設置、FRP樹脂が垂れるので床には合紙とダンボールを敷いて養生テープで固定します。
そんなこんなで準備しているうちに1時間が経過しました。
温度計は27度 湿度65%を指しています。思った程に湿度は下がっていませんが、
このまま作業を進めます。
又、前日に買い揃えた資材もこの場所に配置しました。

■前日には備品を購入しました。(7/2(土) FRP用の購入品)
600CCカップ 10個入り、塗料カップホルダー 600CC、計量カップ 550ml、
ケミカルスポイト 5ml、YKポリ差し口 斜め40mm
刷毛 2インチ、アセトン500ml(刷毛洗浄用)
エプロン、プラステチック手袋 12枚入り、不織布靴カバー、裁ちばさみ

そんな頃に大芝シニアマネージャーが到着、続いてソリューション本部 吉田課長もやって来ました。
奥さんの塚澤さんは、赤ちゃんを抱いての登場です。
ンッ?チョット待てよ、どう考えても有機溶剤は幼児の身体に悪影響があるので、
ココはママと一緒に外で遊んでてね。

いよいよFRP作業に取り掛かります。
衣服や靴に樹脂が着かない様、購入していた不織布製の前掛けと靴カバーを着用、
取手付きカップと刷毛を一人づつ配ります。
先ずはガラスクロスを裁ちバサミで切って、中央・船首・船尾にそれぞれ覆い掛けます。
続いてポリエステル樹脂液と凝固剤を、100:1の割合で混ぜます。

一斗缶から400cc計量カップに移す前に、注ぎ易い様に差し口を取り付けました。
一斗缶のキャップを開けると強い有機溶剤臭に襲われます。
オェ~!思わず咽せ返りながらも、息を殺して正確に400ccを計量し、
ケミカルスポイトで4ccの硬化剤を垂らして取手付きカップに移しました。
これを3人分作って一斉に刷毛塗りを開始!
白銀のガラスクロスがポリエステル樹脂液と同化して透明になり、
杉のプランキング材にも浸透して飴色に変わっていきます。
綺麗な木目が浮かび上がりました。

ポリエステル樹脂を塗ると
ポリエステル樹脂を塗ると
ガラスクロス合わせ目
ガラスクロス合わせ目
ガラスクロス①
ガラスクロス①
ガラスクロス②
ガラスクロス②

オォ~!カッコイイ と感傷に浸った次の瞬間、取手付きカップの樹脂液がゼリー状に!
「ウヮ、固まりだした!」と一人パニクる私を他所に、2人は「えっ?こっちはサラッサラッですよ
」と涼しい顔。何んで?凝固剤の分量を間違えたか?と首を傾げた次の瞬間、「ウヮ、急に固まり出した」
結局3人共に半分も塗り終えず、カップを型取った塊が3つ出来上がり。

突然硬化が始まった樹脂
突然硬化が始まった樹脂

樹脂液に硬化剤を混ぜて、失敗作の塊まで2分程度でした。
刷毛塗り1回目の失敗を教訓として、以下の方法へ変更します。

①400ccの混合液を作ったら3つのカップに注ぎ分け、3人で同時に塗りきってしまう。
②カップが空になったら、又400㏄の混合液を作り直す。
この繰り返し

正午まで刷毛塗り1回目を終了、外に出て綺麗な空気を吸うため一旦休憩です。
中に間は気付いておりませんが、再入場すると1階作業所の中は凄い匂いで充満してます。
換気をしないと危険なレベル、換気をすると外気が入って温度が上昇、樹脂の硬化時間は更に早まって作業が困難です。
直ぐに換気を行わないと月曜まで匂いが残りそうな状況なので、ここで場内作業を断念しました。FRP作業は秋までお預けです。

と言う事で本日は作業終了、私はMC換気の為に一人残る事としました。
船体をゴロゴロと押して、外のいつもの場所へ移動、シャッターは地上から50cm程の高さまで上げて置き、
エアコンを切って換気扇を回しました。シャッターの下50cmの隙間からジェット気流の様に外気が流れ込み、
早く空気の入替えが可能になります(浴室のドアの形状を応用)。

換気の間、甲羅干しの如く船体の樹脂を完全硬化させると共に、夏の間に出来る作業は何かを考えました。

・パドル 接着と削り出し
・ヨーク(担ぎ棒)、スウォート 削り出し
・アウトステムと真鍮フラットバー 接着
その他、艇の名前やカヌー部エンブレムなどデザイン構想など。

換気に未だ時間が掛かりそうなので、この日はアウトステムと真鍮フラットバーを接着する事にしました。
エポキシ接着材のA・B液を混ぜるのですが、35度以上の高温で温まったエポキシは妙にサラサラして塗り難く、前後2つのアウトステムがありますが、片一方だけにしてました。

この間、刷毛をポリプロピレン製の計量カップにアセトン液を入れて、洗浄の為に浸していたのですが、何故か黒く流れ出した液がアスファルトを黒く濡らしているのに気付きました。
「あれ?ひっくり返したのかな」と持ち上げてみると、何と計量カップの底が溶けてます。
アララ、刷毛と計量カップは買いなおさなきゃ。
そんなこんなで場内の換気も完了、本日の作業は終了です。